今夜は満月。
ベランダで月を待つ。
黒々とした建物の端の空がほのかに明るい。
月が近づいている。
おぉ…月がむら雲の波間を泳ぎながら、9月の夜空を渡ってゆくよ…。
雲があってこその月の光…おごそかな光。
『鴨長明集』より
36 くまもなき かゝみとみえて すむ月を もゝたひみかく おきつしらなみ
37 たまよする みさきかをきに なみまより たちいつる月の かけのさやけさ
『新古今和歌集』より
1894 いしかはや せみのをかはの きよけれは 月もなかれを たつねてそすむ
鴨長明の時代から、月の光は変わらない…これはすごいことだ…。