enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

本当に久しぶりの海…。

 

海まで散歩することなく夏が終わった…長くて暑かった…。

今や、衰えた陽ざしも風も、海へと誘っている。
次兄の家にブドウを届けるついでに、夕焼けを見てこようと海に向かった。

(平塚ではおよそ、春分は六時頃に夜が明け六時頃に陽が沈む。秋分は五時半頃に夜が明け五時半頃に陽が沈む。それが、夏至は四時半頃に夜が明け七時頃に陽が沈み、冬至は七時頃に夜が明け四時半頃に陽が沈む。こうしてみると、私が夕焼けを見るには秋分の頃が一番な気がする。)

秋になると萩が楽しみな公園の横を通った。
息絶えた小さな蝶をしなだれた枝にそのまま留めながら、萩の花が咲いていた。秋は来たのだなぁ…。 

次兄の家まで、小さな道、広い道を歩きながら、私の子ども時代(1950~60年代)の家並みとはなんと様変わりしたことだろう…としみじみ思う。

人の面変わりとは違って、それは跡形もなく”生まれ変わってゆく”。
人々が老いるより、その速度はすさまじく、面影をとどめない。すべてが無かったかのごとく、新しい時代が新しい風景を突きつけてくる。

それに比べて、浜辺はいつものようにそこにあった。夕焼けを背にした箱根や富士の稜線をなぞってゆく。波が低く打ち寄せるさまを飽かず眺める。今夏の暑過ぎた日々も、じきに薄れてしまう…そう思えた。

 

9月25日の月(満月まであと四日)

 

ラスター彩の渚 ~ 走り抜けてゆく少年 ~ オブジェ

 

9月25日の夕焼けと富士