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私の第三十四夜をつづります。

歌人相模の初瀬参詣推定ルート(20231122):大和川右岸から左岸、そして再び右岸へ(1)

 

今回の旅の最後の日。
21日はほとんど空身で歩くことができたけれどど、22日はヤドカリのようにリュックを背負って宿を出る(20・21日と、朝から夕方まで歩き続けたため、足の親指に靴擦れができていた。それでも、あと一日くらいは何とか歩けそうだった)

 

22日の行程は次の通り(下掲の”個人的map”の ①~⑩ の順で歩き、それらの地点で写真を撮った)
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柏原市立歴史資料館(start)

② JR 高井田

大和川右岸の道(国道183号線で青谷地区へ)

④ 大池と金山彦神(Uターンして川沿いの道に戻る)

⑤ 大門所地蔵尊

大和川がS字状に屈曲する 地点

⑦「夏目の渡し跡」(吊り橋の川端橋を渡り、大和川左岸へ)

⑧「河内国分寺・塔跡」(Uターンして川端橋を渡り、再び大和川右岸に戻る)

大和川右岸沿いの道( JR 線の北側を走る小道で JR 河内堅上駅へ)

⑩ JR 河内堅上駅(goal)
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【個人的map:大和川右岸から左岸、そして再び右岸へ】

 

①‐1:柏原市立歴史資料館
展示のなかで「龍田古道 亀の瀬絵巻」は新鮮で興味深かった。
Bing 動画 で、そのプロモーション動画 ”ピクセルアート アニメーションで動く絵巻「龍田古道 亀の瀬絵巻」”を観ることができる。なお、この展示内容については、別のweb上で次のような説明があった。)
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「映像作家の重田佑介氏が制作したデジタルアート作品「龍田古道 亀の瀬絵巻」が完成しました。この作品は、奈良時代の龍田古道をピクセルアートで絵巻風に表現しています。平城京から難波宮へと続く古道に沿って配された龍田大社法隆寺、竹原井離宮河内国分寺河内六寺などの歴史的建造物。その中を天皇行幸する様子や、かつて和歌で大和と河内の国境の象徴として詠まれた龍田山や龍田川(現大和川)の自然、それらが絵巻の中で動く映像作品です。」
デジタル絵巻「龍田古道 亀の瀬絵巻」を展示します - もう、すべらせない!!日本遺産「龍田古道・亀の瀬」公式サイト (kamenose.jp)

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鳥観図的な動く絵巻には、”龍田古道”を優雅に進む天皇の一行(国境を越える際に上げるという”吠声”までも聴こえてくる)、また、花吹雪が舞うなかで「い行きあひの 坂の麓に 咲きををる 桜の花を 見せむ児もがも」万葉集 巻九 一七五二番歌 高橋虫麻呂といった歌を詠む高橋虫麻呂、そして龍田山(御座峰)に降臨しようとする龍の姿、さらには智識寺や河内大橋なども描かれていて、何とも楽しい作品だった。

 

①‐2:柏原市立歴史資料館の近くの案内板
この案内板の地域を歩き回るだけでも、数日滞在しなくてはならないようだ(機会があれば、歩きたいものだなぁ!)

 

② JR 高井田駅近くの碑:
そこかしこに設置された案内板・説明板に加え、こうした新しい石碑などを眼にするにつけ、柏原市の歴史の奥深さを感じないではいられなかった。

 

③:大和川の穏やかな流れ
大和川も、S字状に屈曲する”芝山”より下流は、のどかに流れてゆくようだ。

 

④₋1:青谷(あおたに)の大池と金山彦(かなやまひこ)神社
大きく屈曲する大和川から離れ、山の中腹の集落をめざす。
坂道の途中で「谷尻(たんじり)地蔵尊」・「大門所(だもんじょ)地蔵尊」を拝しながら大池にたどり着く。
池の北東部に金山彦神社、南に青谷寺が建つ。
この集落からさらに登れば雁多尾畑(かりんどおばた)へ、下ればJR河内堅上(かわちかたかみ)駅に通じ、そこから大和川右岸に沿って峠地区を経て、三郷(さんごう)町へと通じるのだった。

 

④₋2:金山彦神社と説明板


④‐3:大池のほとりの案内板(「金山彦神社、元は山上に」とある)
金山彦神社」はもともと、”嶽山”に所在していたことが、説明板(④‐2右の写真にも記されている(”嶽山”とは、“小鞍の嶺(おぐらのみね)”・“留所の山(とめしょのやま”)の推定地とされている、現在地の北東約600m、標高約270mの地点をさすのだろうか?)



⑤₋1:「大門所地蔵尊
清潔な地蔵堂に、お地蔵さまに対する人々の敬意や慈しみのようなものを感じた。
また、1313年の造立で家型石棺の蓋石に刻まれていることにも興味を引かれた。

⑤₋2:立派な地蔵堂の立つ坂道       ⑤‐3:説明板

 

~追記~

個人的mapの⑤と⑥の間:「谷尻地蔵尊

web上の解説(谷尻地蔵尊 | 大阪府柏原市 (city.kashiwara.osaka.jp))は次の通り。

解説
 青谷地区への西からの道に露出した巨石に造形された磨崖仏。像高は約108センチ。像容は立像、声聞形を示し、右手に鍚杖、左手に宝珠を捧持する。頭部が比較的大きく、肩部もがっちりとし、衣文は蓮台まで延びている。蓮台は蓮座を線彫することで表現している。像を岩壁から削り出す際のノミ跡が光背のように残っており、本像の大きな特色となっている。「元亀3年壬申十一月吉日□阿」と銘刻されており、室町時代末期の1572年に造像されたことがわかる。