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私の第三十四夜をつづります。

平塚の石仏…お釈迦様と阿弥陀様に出会う。

 

29日、「上吉沢の石仏めぐり」(平塚市博物館に参加した。

今回のフィールドの吉沢地区は土屋地区とともに、私には特別に魅力的な地域だ。(その自然も歴史も、海辺近くに育った私には未知の deep な空間に感じられるから。)

そして、久しぶりに秋の上吉沢・中吉沢を歩き、思いがけなく”お釈迦様”と”阿弥陀様”の石仏に出会うことができた。
その木彫の仏像と同じように美しい阿弥陀様の石仏に…小さく、石彫りだからこそなのか…、素朴さと優しさを感じた。

 

阿弥陀如来の石仏(上吉沢 山ノ神青年会館脇 延宝2年:1674年)

(正面のお顔は凛々しい青年の印象。横顔からは深く沈潜した雰囲気が伝わってくる。
「平塚の石仏めぐり 3  須賀編」〔2018年 平塚市博物館〕には「市内の石仏としては、阿弥陀如来像が15基、阿弥陀三尊像が4基あり、年代不詳を除きすべて江戸時代中期の造立」とあり…延宝2〔1674〕年は江戸時代前期にやや近い?…、平塚では江戸時代の一時期に阿弥陀様の石仏が多く祀られたことが分かった。)

釈迦如来の石仏(上吉沢 延命寺 寛文10年:1670年)

(お顔は年月を経て、その表情をほとんど失っているけれど、ほぼ三頭身の姿で両手を重ね佇む姿は慎ましく愛らしい。当日いただいた資料には「市内に釈迦如来は5基ありますが、この寛文10年(1670)が最古です」とあった。)

 

こうして時間を忘れ、路傍やお寺や神社などを巡り歩き、数えきれないほど多くの石仏たちを見学した。
また、「三狐(みきつね)神社」では、地元の台地区の方から、地神講のお話などもうかがうことができた。
そして、博物館で長らく熱心に石仏調査活動を継続されてきた方々の分かりやすく工夫された解説に敬服した。

今なお地域の人々に見守られている石仏たちが、これからの長い年月も、無事に姿をとどめ、ずっと残り続けていきますように。

 

延命寺より大山を望む

 

ウラギンシジミ延命寺で):無事に越冬してください。