enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.9.19

 9か月ぶりに富戸に出かけた。イガ栗や緑色のドングリが落ちる富戸の急坂。なぜか苦も無く登ることができて喜んだのも束の間だった。ふだん、海と図書館に通うだけの暮らしに老化が加わって、めっきり体力が衰えていたことを思い知る結果になった。
 当日はまだ軽い疲れだった。夜になって月の無い星空を眺めた。
 翌日、国道を通るバスで伊豆高原駅に向かった。池の集落から流れてくる対島川に沿って、海へと歩きはじめる。小暗い林の道を下り、海岸線に出た。逞しく育った松の林を抜け、青い海と柱状の荒々しい岩肌を眺める。太平洋をうけとめている岩壁。和らかで浄らかな松の落ち葉。ここから八幡野の港に向かい、再び国道方面にUターンして、八幡宮来宮神社に立ち寄り、古道(下田街道)らしき道をたどって東大室まで戻る。それが、その日の予定だった。
 結局、気力でその予定をこなした。しかし、そのまま15時間寝込むことになった。頭痛薬が効かない。3日目もよどんだ頭のままだった。早々に帰り支度をして富戸駅に向かう。せっかく日常から抜け出てきたというのに、もうすごすごと逃げ帰ろうとしている。若い頃の自分が、もうどこにも残っていない。60代になって疲労と頭痛の距離が一段と近くなってきている。やれやれ。
 
対島川河口近くから
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八幡野港で最初に出逢った道祖神さん…どっしりとしたおむすび型でたのもしい。
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下田街道の古道((たぶん?)に佇つお地蔵様
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富戸駅への坂道で舞っていたキアゲハ…頭痛も忘れてカメラを取り出してしまい、乗るはずの電車を逃した。
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