enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018.1.5

 4日の朝、少しだけ早起きした。いつものようにカーテンを開けに行く。南の窓、東の窓、そして西の窓。そして、おや?と思った。西の窓ガラスに丸い灯りが映っている。部屋の電気はついていないのだから、その灯りではなかった。
 窓に映っているように見えたものは、窓の外の西空にかかる”居待月”だった。
 少し痩せた顔ではあったけれど、まだ沈まずに白々と光っていた。やはり、早起きは三文以上の徳。親しい人に出会ったように、心が軽くなった。

 夕方、買い物帰りに、ビルのすき間の西の空が不思議な火の色に染まっているのを見た。
 もっと大きな夕焼け空を見ようとして、いつもとは違う道を通ってみたけれど、街中の西空はどこも小さかった。瞬く間に火の色は褪せ、特別な時間は終わってしまった。
 海には大きな空が広がっているのにと思う。
 夕方は、惜しみない贈り物を受け取りそこねたのだった。
 
海に出かけた人からもらった1月4日の夕焼けの写真(海岸通りの歩道橋上から)
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