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私の第三十四夜をつづります。

初夏の山野④沼と林

 梅雨空の日々が、少しずつ、初夏の旅の印象を薄れさせてゆく。
 
 今回の旅で楽しみにしていたアカショウビン…結局、その姿を見ることはなかった。それでも、十二湖からの帰り道で、その声を聴いた。行く手に白い空気がたちこめる、微細な雨のなかだった。林道の右手の小暗い林の奥から、ひゅるひゅるひゅると、何度も、細い声が響いてきたのだった。
  八重山リュウキュウアカショウビンは夏の光から隠れて涼しげな声で啼いていたのに対し、青森のアカショウビンの声は、冷えて湿った空気を震わせるように響いてきた。
 『あぁ、いるんだなぁ…』 それだけで満たされてしまった。

 秋田市の高清水公園では、空素沼(からすぬま)の林でチュリチュリチュリという囀りを聴いた。林のなかの初夏の光に似合った明るい声だった。
 木々の梢を見上げ、声の在り処を探すのは楽しい。
(こうして旅のまとめで時間を費やす間にも、今年のホトトギスの声を聴く機会が遠ざかってしまうようでソワソワしてしまう。)

 梅雨空の合い間に、少しでも外に出よう! どこかで何かが待っているはず。

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青池(青森県 十二湖)

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アカショウビンの声を聴いた十二湖近くの林

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空素沼(からすぬま) (秋田市

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空素沼近くの林で囀るメボソムシクイ

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空素沼神社:
この神社や空素沼が、古代秋田城とどう係わっているのか、いないのか、興味深いのだけれど…。

【番外:角館で】

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秋田内陸線の連結①

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秋田内陸線の連結②

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秋田内陸線の連結③