enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

♪ Shule, shule, shule-a-roo… ♪

 

19日午後、博物館・地質分野のジオツアー(”金目川の古流路”)に参加した。

出発地点の花水川(金目川下流)の川原は、台風の名残り…夥しいゴミ(プラスティックボトルなど)…で無残な姿になっていた。そして、久しぶりに見る高麗山には秋の色が入り混じっていた。

その高麗山を西に見ながら、ジオツアーの一行は、金目川左岸の地形の高低差を意識しつつ、ゴールの達上池(たんじょういけ)まで北上する。
相模国府の歴史を学んでいた頃、古代東海道の渡河地点や箕輪駅家の所在地として、また、河川交通としての役割など、花水川の位置付けにあれこれ妄想をふくらませた時期があった。しかし、この日は、学芸員のきびきびとテンポの良い解説に耳をそばだて続けた。身近な地形に加わる外的営力が説き明かされてゆき、これまで見過ごしてきた景色を新たな視点で見直すことになった。そのことにワクワクした。)

名前だけを知っていた達上池も、ようやく目にし、その成り立ちにも納得した。
(ただ、2時間近く歩いただけで、足がズンと重苦しくなっていた。痛めた足は元通りにはなっていないらしい…。)

帰宅してしばらく休んだあと、再び外に出る。

道路は濡れて黒ずんでいた。にわか雨が通ったのだった。
西の空には不思議な色合いが広がり、しっとりとした空気とキラキラする光で満ちていた。

『虹が出そう…?』

そう思って歩き始め、曲がり角でふり返る。
東の空に、南北に大きな半円を描く虹の橋が渡っている。
声を飲み込み、もどかしい思いで携帯を探す。

みるみるうちに褪せて遠ざかってゆく色彩。

足の痛みも忘れ、走って家に戻り、カメラを手にして再び外に出る。
しかし、すでに時が移ろっていた。
淡い虹色は北の端に残るだけで、その先は灰青色の空へと消えていた。

いつも、虹は一瞬。
(♪ Shule, shule, shule-a-roo, Shule-a-rak-shak, shule-a-ba-ba-coo.♪)

 

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街の空で(10月19日16時54分)

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浜辺の空で(10月19日16時56分):ほぼ同時刻に撮った写真をもらった。