enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.4.28

 また記憶が作り替えられていた、というより、錯誤の記憶にすり替わっていた。
 その映画には、ドナルド・サザランド(サザーランド?)という名前の人が出ているらしかった。その名前には、特別、聞き覚えがあった。学生時代に観た風変わりな映画の主演俳優だ…と思った。それは『欲望』という映画で、当時の私には、何が描かれているのか理解できない…だけれど、理解できないのが悔しい…そんな映画だったのだ。
 そうか、あの映画に出ていた人の新しい映画なのだ…そう思ってTV画面を見始めたのだった。
 それにしても、父親役のその人は、年を重ねたからだろうか、昔の面差しと随分と違って見えた。無理もない、40年以上の時間が経っているのだから、と思いながら見た。
 あっという間に見終わった。その映画は『普通の人々』というタイトルにふさわしく、ひどく分かりやすい映画だったのだ。思わせぶりなところなど、これっぽっちもなかった。
 それにしても、このヒューマンな父親役の人が、本当にあの『欲望』に出ていた人なのだろうか…と思う。何だか、変だ。いや、『欲望』という映画が心に引っかかった若い頃の私は、その主演した人の名前をしっかり記憶しようとしたのだった。だから、間違いはないはずなのだ。調べてみれば分かる。
 しかし、結局のところ、『欲望』の主演の名前は、私がまったく聞いたことのない…デヴィッド・ヘミングス…という名前の俳優さんだった。愕然として、なぜ?と思う。では、ドナルド・サザランドという名前は、いつ、何をきっかけに、私の頭に記憶されたのだろうかと思う。
 私には、こういう記憶の錯誤が結構多いのだ。やっぱり、いいかげんなところのある頭なのだろうと思う。
 
4月28日の海
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散り始めた桐の花
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