長い夏だった。 5月末、アポイ岳・伊達紋別岳を訪ねてから3か月、蜂窩織炎と汗疱と酷暑に倦み疲れて、ようやくここまでたどりついた。 腕首と掌と足の皮膚もようやく生まれ変わった。 8月最後の日、南の窓から吹き込む海風がカーテンを大きくはためかせてい…
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