enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.2.16

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昨日の午後、古い山靴をはいて雪道に出た。
駅ビルの大きな南窓から雪の街路を眺める。
白い舞台には時間の止まった人魚像。
その”湖”のほとりに向かう”二人の狩人”の足跡。
ブリューゲルの木立”の先の海空には白銀の砦がそびえている。
見慣れたいつもの街並みに魔法がかかっていた。
探しに行ったサザンカの花びらは公園通りに散っていた。
カメラを握りながら、『こんなふうに大雪に心を奪われていてよいのだろうか』とふと不安になる。
 
人々は日々の暮らしに忙しく、つかのま雪と氷の競技を楽しみ、雪に隠れた足もとのうごめきから目をそらす。この国の”最高責任者”を自称する指導者の言葉に担保は無いことを知っているのに。彼がとりうる責任といえば、政治的な”自己破産”だけだった、と経験しているのに。
魔法の雪が消えた後、軍靴に踏みならされた地平線があらわれるのだろうか…『最高責任者は私たちだ』と心のなかでつぶやく。
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