enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.12.10

 9日、大磯町生沢の観音寺に向かった。
 途中には、12世紀の不動明王像の足跡を訪ねて歩き回ったなつかしい下吉沢。
 今日はバスの窓から眺めるだけだ。バスは市を越えて大磯町に入る。
 平安時代薬師如来坐像を伝える寺坂の王福寺の前も過ぎた。
 バスを降りて観音寺まで歩く。
 
 境川を渡れば生沢となる。その境川の細い流れをたどった先に観音寺があった。
 王福寺と同じように、小田原・厚木道路が寺の背面の真上を横切っている。
 寺々の背後を高速で流れてゆくのは21世紀の自動車の波ではなく、これまで堆積した時の流れなのかもしれなかった。

 観音寺で石塔を撮影し、その後、標識に誘われて鷹取山に登ることにした。
 下吉沢から鷹取山に向かったことはあったけれど、大磯側から登るのは初めてだった。
 鷹取山からは日之宮山~山王山と見知った道をゆっくりと歩き、霧降の滝へ降りた。
 しばらく訪れなかったので、日之宮神社や「ゆるぎの丘」からの広い展望に驚いた。
 まさに”見晴らしのよい場所”になっている。以前はどのような景観だったのか思い出せない。
 
 12月の山道は厚く積もった落ち葉のぬくもりであたたかく、熟成した香りに満ちていた。
 あぁ・・・と思わずにはいられない。
 こんな季節に、こんな風に乗って、あてどなく散ってゆくことができたらいいのにと。

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鷹取神社①:たどり着いた鳥居から相模湾をふり返る。

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鷹取神社②:落葉のなかの社殿。狛犬(獅子?)の表情に心がなごんだ。

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鷹取神社③:小さな牢屋に囚われているかのような座像(コノハナサクヤヒメ像だろうか?)。前回訪れた時には気づかなかったことの一つだ。

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日之宮神社から平塚市域を望む

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苔むす「立石」:変わらない姿。大きいし重いし、変えようがないとも・・・。

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上吉沢「ゆるぎの丘」から見る大山:目を見張るような展望。景観が整備されてゆくことを素直に喜ぶべきだろうか。