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私の第三十四夜をつづります。

おきなわ(3)

 本当に辺野古の海に土砂を投入してしまうのか? 本当に?本当に?
 沖縄から帰ってから、ほどなくして配信された記事。
 
 そのあまりに荒んだ政治の常態化。
 対話の握手を交わす素振りを見せながら、相手のその手を土足で力任せに踏みつける。
 そういう手法を繰り返すうちに、彼らにはそれが当たり前になった。
 彼らはもう、何も感じることはできない。だから繰り返す。次も、次も、その次も。きっともう感じないのだ、何も。
 辺野古の海に投げ込まれる土砂は、荒んだ彼らの塊りだ。
 その荒んだ土砂は、青く透き通った海を茶色く濁らせ、その濁りはまたたくまに広がってゆくだろう。

 荒んだ政治の常態化…それはどこに行き着くだろう。
 
 沖縄に生まれ、生きて、それぞれの言葉で、さまざまに語り伝えようとする人々の顔…今、次々と浮かぶ。
 私たちを迎えてくれた人々の明るい静かな眼差し、そして強い光。
 人々の眼に、その語りに、不屈の力を感じ取った。
 彼ら、彼女らは、今、何を思うのだろうか。
 いったい、私に何ができるのだろうか。
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沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、政府は12月中旬に辺野古沿岸部で土砂投入を始める方針を固めた。複数の政府関係者が28日、明らかにした。本部港塩川地区の使用許可が下りずに懸案となっている埋め立て用土砂の搬出は、引き続き本部町を説得する一方、不許可が続く場合は計画とは別の搬出場所を利用することで解決を図る。その場合、関係者によると、名護市安和の琉球セメントの桟橋を検討する。県側が対話の継続を求める中で土砂投入を強行すれば、県内の反発は必至だ。」(『琉球新報』2018年11月29日配信記事より転載)
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