5月の初旬、初めて歩く比叡山西塔の坂道は、まぶしい緑のなかにあった。森に響きわたる鳥の声に耳を澄ませ、雨上がりの空を見上げると、歌人相模その人の影のようなものが心によぎった。 「ほとゝきす みやまにたかくいのる事 なるときこゆるこゑをきかはや…
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