「ほとゝきす みやまにたかくいのる事 なるときこゆるこゑをきかはや」 (『相模集』 早夏の部)
古代を回遊するように琵琶湖のほとりを旅したあと、下旬に入って、初めて箱根神社を参詣する機会があった。
歌人相模と”走湯百首”を伊豆山神社に結びつけてきたのは私の思い込みでしかなく、『相模集』の詞書からは「走湯」と「筥根」のどちらの「権現」を想定すべきなのかは分からない。ただ、箱根神社と伊豆山神社の立地を実際に比べることができた今、改めて、歌人相模が訪れたのは伊豆山神社であったように思う(思い込みが強くなっただけなのだが)。
(杉並木と石段)