enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.11.27

 卒業後の17年間、朝6時40分台の電車に乗り、残業があれば夜10時頃に帰宅し・・・という生活を続けた。休日出勤で足りなければ、家でも仕事をした。睡眠時間などを引くと、自分だけの時間、心の空間というものはほとんどなかった。
 40歳で退職後、日中、自由に出歩くことに後ろめたさを感じた。こんな時間に陽の光を浴びながら自由に歩いて許されるのだろうかと。そして、何かしらの形で働いている人を見かけては、無職となった自分に引け目を感じた。
 今も、労働から派生する縛りや圧力のようなものを免れている疾しさは消えていない。私にとって、働いている人は、それだけで輝いて見える。
 ただ、働いていた頃の私は、日々生きるのに精いっぱいだった。自分について、人について、何も見えてはいなかった。若かったこともあるのかもしれない。そして40代から50代にかけて、自分と向き合う時間のなかで、失ったもの、得たものが少しずつ見えてきたように思う。
 これからの時間のなかで、何を失い、何を得られるのかは分からない。与えられた時間を自分と対話しながら歩きつづける。いつかそんな散歩の時間が終わる日まで。
 
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よぎる凧(11月24日)
 
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よぎる人・舟(11月24日)