enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.3.18

 昨日の平塚海岸は、台風のあとでもないのに、大量の漂着物が打ちあがっていた。
 大半は人々の暮らしから出た夥しい大小のゴミ。そして海藻やナマコやヒトデたち。
 あまり見かけたことがない巻貝も目に飛び込んでくる。
 東の砂浜から、数人の方たちがこちらに向かってくるのが見える。海岸線に沿って築かれた漂着物の山をたどり、缶やペットボトルなどを分別して拾い上げる作業が続く。いつも綺麗な波打ち際を歩くだけの自分。美しい渚しか見ようとしない自分。漂着物の中から、気に入った貝を拾うだけの自分。
 帰り道、今日の圧倒的な砂浜のゴミと、日頃、海を眺めるだけの自分について、あれこれ考える。家の近くでは、紫木蓮の灯形の殻が開いて、口紅のように華やかな花色をのぞかせていた。クチベニガイも美しい。紫木蓮のつぼみも美しい。美しいものだけを見ていていいのだろうか。
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(海岸の清掃は今日中には終わらないかもしれない。心やましく感じながら、拾った貝を波で洗い、浜辺暮らしの猫がいたベンチの上に並べてみた。)