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私の第三十四夜をつづります。

考古遺物が発する力

 25日、有楽町で開かれた「遺跡の年代を測るものさしと奈文研」に出かけ、6人の研究者の方々の講演を聴いた。研究者という職業が本当にうらやましく感じられた一日だった。
 26日は、「神奈川県遺跡調査・研究発表会」に出かけた。休憩時間に、会場の横浜市歴史博物館で開催されている「大おにぎり展」を見学することもできた。
(おいしそうなタイトル…見学した人は、炊きたてのご飯でつくった真っ白なおにぎりが食べたくなる…かもしれない)。
 この二日間、爽やかな秋の日の朝から夕方まで、薄暗い屋内でじっと過ごす人々をたくさん目にした。なぜ、考古学や歴史の世界というのは、そんなに魅力的なのだろう、といつも不思議に感じる。
 人々が過ごすその薄暗い屋内には、生きた世界には求めることができない”動きを止めた世界”、思うままに”ためつすがめつすることができる世界”があるから…そんなふうに思う。
 「大おにぎり展」では、展示土器の粘土紐の装飾に作り手の時間を感じ、木のお椀に残されたご飯(炭化米)に人々の暮らしの確かさを感じた。動きを止めた世界から、動きと時間が伝わってくるのはなぜだろう。
 
粘土紐に縁どられた縄文土器山形県押出遺跡)
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木椀に盛られて炭化したご飯(青森県野木遺跡)
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