enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.9.21①

 20日、高麗山に出かけた。6月の初めにホトトギスの声を聴いてから一夏が過ぎた。
 6月と同じ南斜面の道を辿る。薄暗い山道の高みに響くのはミンミン蝉、メジロ、そしてキツツキ?の声。足もとには、谷を流れる水の音。
 八俵山に着くと、いつもより多くの人たちがいた。少年、青年、年配の人々。それぞれに鎌や箒を持って、尾根道の手入れをしていた。道を掃きながら、青年が「こんにちは」と声をかけてくれた。あわてて「ごくろうさまです」と挨拶を返す。
 道脇には、紫の花、緑の実、黒い実をつけたヤブランが続く。ところどころに、赤く白くヒガンバナが咲く。
 林のなかでは、小さな蝶や大きな蝶が、低く高く飛び回る。その動きに、春の季節のようなせわしなさがなかった。草花の息づかいにも、むせ返るような濃さはなかった。命の勢いが、太陽の光の勢いに同調しているように感じた。
 木の実が落ち始めた高麗山。次の季節を迎える前に、山もしばしの休息をとっているのかもしれない。


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野菊

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アカボシゴマダラ…帰り道、高麗山でアカボシゴマダラの卵の写真を撮ったという人に出会った。写真を見せてもらい、その翡翠玉のような卵のことを初めて知った。経線のような筋模様も入っていた。それは、エノキの葉に置く露のように見える。あまりに無防備で、儚そうに見えた。無事に越冬して、来春の野を元気に舞ってほしいと思った。

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南瓜のようなホオズキ


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休息する?キアゲハ

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キンミズヒキの小さな花にとまる小さなアブ