明日は雨よりも花吹雪の風だったらよいのに、と思う。図書館へと続く石畳の道に、花びらが一面に散りしくのを見たいと思う。なんとも贅沢な道になることだろう。
今、華やいだ景色は桜だけではない。少し前には裸だった枝々に、オリーヴ色の若葉がもくもくと開きはじめた。すでに空を隠し始めている。初夏の季節へと勢いを増す木々たち。花といい若葉といい、いったい、あの冬の木々のどこに、こうしたほとばしるようなエネルギーがたくわえられていたのだろう。いつも思う。私にも分けてほしい…などと。
3月27日のサクラとカツラ(再掲)
4月5日のサクラとカツラ
『相模集全釈』(風間書房)から
532 花ならぬ なぐさめぞなき 山里の 桜はしばし 散らずもあらなむ
みちのくににまかりける時、なこその関にて花のちりしければよめる
『和漢兼作集』(角川書店『新編国歌大観』)から
229 はるはただ はなこそ人をとどめけれ せきもりなゐそ ふはの中山 藤原有綱朝臣