enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

狂ったお茶会

この国では狂ったお茶会がずうっと続いている。
三月ウサギや帽子屋やネムリネズミたちの不条理な言動が私たちをじくじくと蝕んでいった。
時間が止まった国で狂ったお茶会に呼ばれた私たちは言葉も心も病んでしまった。
このままでは私たちは腐ってゆく…死んでゆく…。
狂ったお茶会を一刻も早くお開きにしよう。
「狂ったお茶会はもう御仕舞いだ!」って叫ぶんだ。

ああ、でも三月ウサギや帽子屋やネムリネズミに私たちの言葉は通じないのだったね。
彼らは私たちとは別の言葉の世界、というより意味の無い言葉の世界に生きているのだったね。

ああ、溜め息ばかりじゃダメだ! アリスのように早く眼を醒まさなければ。
私たちの言葉を信じて、使い続けて、止まった時間を動かしていかなければ。
そして、狂ったお茶会の後片付けをしなくては。
言葉と心が普通に通じる国を取り戻さなければ。