enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

嵐の前に読むコラム

明日には台風が上陸するという27日。
眼が覚めると、身体の内側に溜め込んでいた熱風の記憶が抜け落ちているように感じた。
網戸から時々入り込んでくる風に秋の気配があったりもする。
放心したように体はふわふわと軽く、呼吸も熱気に喘ぐことがない。
窓の外の青空のさらに上空には、秋の冷たい空気が広がっているのだろうか。

大雨の被災地の復旧もままならないなか、次々と気鬱な報道が続いている。
政権中枢から漂い続ける瘴気。
終わり方が分からないという煩悩を抱え込む夏が続くのだ。

権力者たちが放つ瘴気と今夏の暑気にあたりつつ、小田嶋隆氏の「杉田水脈氏と民意の絶望的な関係」(日経ビジネスオンライン)を読んだ。
絶望は絶望として、内側に溜め込みながらも、いつかふと、一風の冷気に目覚める日が巡ってくることを信じたい。
(それにしても、似顔絵に付された「言の葉の 過ぎたるがゆえに 身を(あやま)てる ひとのあるとぞ 聞ける」という詞書の痛快さ…)