今年に入ってから、家族との旅が続く。
意識の流れのように景色が流れてゆく旅。
”私の旅”とは言えないけれど、流れに任せ、たゆたうような旅が続く。
能登半島の空はめまぐるしく移り変わった。
鉛色の空から小さな霰。
わずかに顔を覗かせた青空から温かな陽差し。
灰色の空から冷たい雨。
その繰り返しだった。
意識の流れのように、いずれ沈んでゆく旅の景色をまとめた。
千里浜 ちりはま の海に架かる虹:
短い旅のなかで、二度、真昼間の光のなかで生まれた虹を見た。
千里浜 ちりはま の引き波(羽咋市):
曇天からの冷たい雨は、お昼を食べている間に、乾いた?雪に変わり始めた。
海水をすくってペットボトルに入れようとしても、波は薄く、すぐに逃げてゆく。
指がかじかみ、強張るまで何回も繰り返す。日本海の海水と、太平洋(平塚の海)の海水を混ぜてみる”夢?”のために…。
(ペットボトルに詰めた海水は、翌日、「のと里山空港」の保安検査場で”飲み物”としてチェックされた。)
風のかたち①(千里浜 羽咋市):
細かな砂の上に弧状に集まった雪。
風のかたち②(千里浜 羽咋市):
石庭のような。
能登の海の厳しい、そして美しい顔…気候の違いなのだろうか、平塚の海はこうした人を寄せつけない”意思”を感じさせることはほとんどない。
日本海からの風に抗することができるのだろうか。断崖上の松の幹は細く、繊細な形に伸びる。
平塚海岸の防砂林の松は、もう少しずんぐりとたくましい。
夕刻、特別仕様の観光列車と接続した普通車両に乗り込んだ私たち。
穴水湾の「ボラ待ち櫓」(レプリカ):
車掌さんからは、観光用の櫓、という説明があった。上に立つ人が小さく見えるほどに、高い櫓なのだった。
櫓の下方にはアオサギ?の姿も。
”ミナミハンドウイルカ”と”ようこそ のとへ”の光(乙ヶ崎トンネル 穴水町):
車掌さんが、トンネルに入る前に、車両最後部で見るように促がしてくれた。
「のと鉄道の車掌さん、ありがとう!」
とにかく寒い冬の夜…。旅の一日目が終わってゆく。