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私の第三十四夜をつづります。

旅先で見た花(や樹)②

 9日間の旅では、世の動きの情報を得る手段が無かった。そして、日本の情報にかつえることも無かった。
 非日常の時空間をさ迷う間、ひたすら、眼の前の世界が全てだった。
 宿に帰れば、入浴と睡眠の時間だけで充分だった。というより、それしかできなかった。
(若い頃はそんなことは無かった。日本の情報は欲しかったし、異国のTV放送も、言葉は理解できないまま、興味を持って眺めて過ごしたのだった。)

 短い旅の印象ではあるけれど、カンボジアの人々は若い。
 ベトナムの旅では、公園をのんびりと歩く高齢者の姿を見かけたことを思い出す。
 でも、カンボジアでは、小さな子どもとその若い親の姿ばかりだった気がするのだ。
 日本の団塊世代とその子どもたちの団塊ジュニア世代に近い世代が、カンボジア社会の担い手として、抜け落ちているのかもしれない。
カンボジア人口ピラミッドに特徴的な凹みは、ポル・ポト政権時代の歪みを象徴する凹みだ。)
 また、重そうな障がいを持つ子どもを膝上に長々と抱え、地べたから物乞いをする母親を見かけ、強く打ちのめされることもあった(彼女とその子どもに手を差し伸べる社会の実現、その希望が欲しい…)。
 それでも、12年前に比べ、カンボジアは観光事業も道路事情も確実に良い方に進んでいるように感じたし、学校近くで制服姿の学生さんたちがそぞろ歩くようすは、未来への新しい展望を約束するように頼もしく見えた。

 旅人となった私はいつにもましてずるい。美しいもの、感動することを拾いながら、見知らぬ国の風土を通り抜けてゆくだけだ。非日常の時空間の旅、とごまかし、自分に心地良いことを見るだけだ。

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サルスベリ?(プノンペン:トンレサップ川のそばで)
憧れのトンレサップ川は平塚の馬入川(相模川河口)より狭く見えた。対岸には高層ビルが林立していることも意外な景色だった。【追記:あとで川幅を確かめてみると、私が見たトンレサップ川は500mほどあり、相模川河口は300mほどなのだった。トンレサップ川はメコン川のように大きい川?という思い込みで眺めたのかもしれない。】

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オウギバショウ~タビビトノキ?(プノンペン:王宮で)

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ホウガンボク〔砲丸木〕(プノンペン:王宮で)
樹下には二体の結跏趺坐の仏像。インドの”沙羅双樹”とは異なる樹のようだ。

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水上の白い花:エキノドルス属の花?(プノンペン:王宮で)

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ツクバネウツギに似た?黄色い花(プノンペン:王宮で)

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レンブ〔蓮霧〕~ジャワフトモモ?(プノンペン:トゥール・スレン刑務所跡の庭で)

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ミズカンナ?(プノンペン:レストランの庭で)