enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

00.12.23

自由からの逃走
 
 心はアナァキィ。
 
とりあえず 丈夫な皮膚の砦が必要だ。
いずれ 気の利いた衣をあつらえてから
逃げ出せばいい。
 
 心はアナァキィ。
 
それはブヨブヨと 少女達の胸から尻へと
溜まっていくから 人目をひかないよう
早めに社会化しなくてはならない。
 
過剰なふくらみも じきにタイトなスーツ
のなかで萎んでゆく。
 
 心はアナァキィ。
 
勘違いの多い男達については
むさ苦しい筋肉や 観念のアクセサリィで
身をやつさせてはならない。
 
ともすると 逃げ切れずに 或る日突然
オノレの首をぶつ切りにしたりする。
腹の中身もひきずり出しかねない。
 
 心はアナァキィ。
 
どこにもないのに ありそうな感じが
無気味だ。
 
袖口から へその穴から
 
トグロを巻いているアナァキィなそいつが
 
言葉の形をして すべり出すかもしれないところが……。