enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.8.13

 昨日の夕方、散歩に出た。
 オリンピックの男子マラソンの中継が始まる前には帰るつもりだった。
 走る競技はシンプルで気持ちいい。
 子供の頃からお正月の駅伝が楽しみだった。成長するにしたがって、新年の魅力はみるみる色褪せてしまったけれど、今でも、朝の空から駅伝中継のヘリの音が聞こえてくると、お正月か・・・と思う。
 
 相模川河口に近い砂丘の高みから、南の水平線と西の山並みを見渡した。太陽は西の大きな雲のかたまりのなかに隠れようとしている。
 平塚海岸の東端の高い砂丘から見る海は奥行きが広い。ヘッドランドや、その前にせり出した砂浜の形が新鮮だ。いつもなら、あのあたりで海に向かってすわっている・・・昨日の自分が、今もそこにいるかのようだ。
 マラソンがそろそろスタートする・・・帰ろうとしてもう一度海を振り返る。
 砂丘の端で潮風をうけて海を眺め続ける人のシルエット・・・視線のかなたに何が見えているのだろうか。夏の海、山並み、雲が刻々と移りゆく時間。離れがたい場所。海を独り占めしている。
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