enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2011-03-24から1日間の記事一覧

94秋

あなたは だれなのか? 夢のなかで 私は 女だった その人と 時のない時間を過ごした 腕に頬をあずけ どこまでも満たされていた そんなにもなつかしい心を忘れていた 別れる時が来て 私は叫びをあげた その人は 歌いながら 何かを語ってくれた (あなたは だ…

94.8.31

病む頭 机につっぷしている”こいつ”の望みは ”おまえ”の息の根を止めること だから右手に大きな消しゴムを摑ませてやる ゴシゴシゴリゴリ 頭のあたりを机の上で消してみろ 苦しいか? 気持ちがいいか? ボソボソのかすだらけになったぞ 楽になったか? すっ…

94.8.30

火 刑 ぐちゃぐちゃだ/ぐゎんじがらめだ うなり/叫び/たたきつけて/恥じ入るのだ 存在の穴からギリギリ噴きあげてくる ただれた塊 あゝ こいつを穴ごとズルズル曳きずりだし 天日にさらして焼きつくしたら どんなに清々とすることだろう

94.6.10

母の哀しみ もうたくさんよ。 いつも同じ話。うんざりなの。 心で拒否した。 眼でののしった。 優しい言葉を惜しんだ。 母こそが 新しい思い出が欲しかった。 新しい経験を語りたかったのだ。 私のすぐそばで 母は そういう毎日を生きていた。

94.3.25

風は生きている 言葉のない世界で 扉をたたき 窓をふるわせ 閉じかけた心にささやきかける 遠い日 あなたは あんなにも自由だったではないか? 黒い髪は葉のように 幼い腕は枝のようにうたった もう一度 あなたは あんなにも自由に うたうべきだ 言葉のない…