enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.8.31

 昨夜、窓から眺めた空には雲ひとつなかった。
 白く光る月が、小さな船のように静かに西へと進んでいった。
 横向きに寝ころび、右腕をさしだすと、その影が鮮明な左腕になった。
 本当に身体につながっているように感じられる、リアルな影の腕。
 8月最後の日の今夜、満月がまた枕元を照らしてゆくだろう。
 
 今年の夏の最後に出かけた入笠山には蝉の声は聞かれず、秋の花が咲いていた。
 撮った花の写真を調べると、ナデシコ科の花が二つあった。
 『相模集』に接してから、なでしこの花が身近になったように思う。
 
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                                                         エゾカワラナデシコ
 
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                                                           フシグロセンノウ