enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.8.2

 いつも、家から海まで、家から図書館まで、ほぼまっすぐ南北の道を歩くことになる。
 その南北の道は風の通り道になる。相模灘からの風が通り抜け、丹沢・大山からの風が通り抜ける。
 夏…街なかでビルとビルの間を、びゅーと高い空から地上まで通り抜けてゆく風。その風を頬に受ける時、心が軽くなってゆく。何かが自分から吹き飛ぶようなのだ。

 図書館からの帰りに、南口のロータリーの小さな公園に寄ってみた。男の人がベンチに寝転がり、少し離れた花壇の前で小さな男の子が大人しく一人遊びをしている。そんな二人を、公園の人魚姫が見守っている。夕方5時の穏やかな夏の空気は、若いお父さん(たぶん…)を熟睡させているようだった。

 その公園にも、薔薇がわずかに鮮やかな色彩を残していた。そのなかに清楚な黄色の薔薇の花があった。清楚な一重。そして華やかで優雅な黄色。根元には「天の川」と記されたプレートが置かれていた。
 家に帰り、今年の立秋は8月7日、旧暦の七夕は8月9日と知った。駅南口の夜空に天の川は流れていないけれど、人魚姫の公園には「天の川」が咲いているのだった。

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「天の川」