enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.11.7

立冬の朝…心地よい冷たさの空気。
電車を乗り継ぐことなく渋谷駅に。
明るい空に誘われて、バスには乗らず、歩き始める。
そして、予定通り迷う。
それでも、大きく迷うことがなかったのは、途中で学生さん達の流れを見つけることができたからだ。
若い人達のあとを追って坂を上ると、じきに黄葉したカツラの木の前に出た。
長いこと、訪れることを楽しみにしていた博物館がそこにあった。

最後に國學院大學を訪れたのは2000年前後だったろうか。
当時は…先入観に満ち満ちて…つかむことができた”固有の空気”。
今はきれいさっぱり跡形も無かった。何もつかめなかった。
神社が座していたあの空間は、この都会的な明るい建築群のなかで、どのような形で生き残っているのだろう。
道端のサザンカの花が白く明るく咲く。どこにもない、過去の時間の痕跡。

イメージ 1
國學院大學博物館前のカツラの木

イメージ 2
カツラの甘い黄葉