enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018.7.5

 昨日の夕方、予約した本を借りに図書館に出かけた。
 街中の信号を渡ったところで、知人の姿を見かけた。しばらく休んでいたボランティアを再開されたのだろうと嬉しくなり、声をかけた。
 年齢でははるかに大先輩にあたる知人は、すこし痩せたようにも見えたけれど、飄々として落着いた話し方はそのままだった。それでも、これまでにはなかった翳りのようなものが加わっているのを感じないわけにはいかなかった。”大人の人”として尊敬していた知人の表情の変化が気になった。
 知人の話を聞くうちに、その翳りがどういうものなのか分かった気がした。正直な思いを口にした。
 何度目かの信号が変わり、知人の背中を見送る。その後ろ姿に「元気で!」と声をかけると、知人は手を挙げて応えてくれた。知人の翳りが私をしばらく沈ませた。

 図書館を出て空を見上げる。再び、知人のことを思った。急に、安曇野の友人にメールで近況をたずねたくなった。しばらくして届いた友人の返事を読みながら、その何でもないやり取りに慰められた。この空が果てしなく続いて、その空のもとに私たちが生きている…そう思った。

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7月4日の空:

雲は二層になっているらしかった。下層の雲が西風に乗って忙しそうに飛び去ってゆく。