enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018.7.3

 梅雨明けとともに海からの強い南風。
 毎日、夏の空というよりは秋のような遠い空が続く。そして、海からの風で洗われる街。

 午後、やや日が翳りはじめた。海に行くなら今、と外に出た。
 道沿いには色を失ったアジサイ。予期せぬ早い梅雨明けだったことだろう。

 松林を抜けて浜に出る。南風が思うままに駆け回っている。飛ぶ砂が肌に痛い。
 打ち寄せる波も背景の山々も、磨りガラスを通して見るように潮でけむっている。

 波打ち際に近づくと、風の音に代わって、波音がごうごうと押し寄せ続ける。
 耳の小さな空間に波音が氾濫し、溺れてゆくような心地よさ…こんなふうに、耳という器官は、いっとき、自然の音だけで満たされ、塞がれてしまう時間が必要なのかもしれないと思った。

 帰り際に、打ち寄せられた貝を探して歩く。いつもよりキサゴが多い。小さなナミマガシワを1枚拾い上げ、風に押されながら砂丘をのぼる。
 再び松林の道に入ると、視界がけむっていることに気づいた。潮でけむっていたのは私の眼鏡レンズだったのかもしれない。

イメージ 1
7月3日の海①

イメージ 2
7月3日の海②

イメージ 3
松林のなかのヒルガオ

イメージ 4
松林のなかのハマナス?の実

イメージ 5
海岸通りのオリーブの実