enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.10.27

 10月が残り少なくなると、戦場ヶ原の落葉松はもう散りはじめただろうかと、なぜか心急く。
 黄金色の雨がふりそそぐ落葉松の林を歩く…毎秋、その記憶をくりかえしなぞる。
 若い頃、毎年のように訪れた日光がすっかり遠いところになった。
 落葉松の黄葉がふりそそぐ日にめぐりあうのは、ますます遠い。
 いつか再び、戦場ヶ原の落葉松林のなかを歩きたい。その黄葉が散りはじめるころに。
 
 26日午後、海に出かけた。
 波打ち際に着く。波がひいたあとに、巻貝の形があった。そうしたシルエットを見るのは久しぶりだった。拾い上げると、サッと海水が流れ落ちた。
 手のひらにちょうどおさまる大きさ。波で磨きげられたような清らかな肌。両端は少し欠けているようだった。何という貝だろう…。嬉しくなって、あたりをも見回すと、形を残したキサゴもあった。
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 波の静かな繰り返しのリズムは、やすらかな呼吸のリズムを教えてくれる。なんて気持ちのよい音。この音を聴くことを、なぜ忘れていたのだろう…。
 
 家に着くころには東の空に、白い月がのぼっていた。
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26日の月…もらった写真を拡大してみた。東の空にある月の光はやさしい。

持ち帰った秋の葉っぱ…深紅にV字形の緑がお洒落だ。林檎のような配色。
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