3月、王ヶ頭から雪を頂く山々の連環を眼にした。
18日、その王ヶ頭に再び出かけ、同じ友人たちとわずかな時間を過ごした。
秋の王ヶ頭の落葉松は黄葉が始まったばかりだった。
ナナカマドの実は紅い鈴のようだった。
道の草紅葉は露に湿っていた。
王ヶ頭を囲む山々は湧き上がる雲に隠れていた。
石像たちは不思議な微笑みのままに雲海を見守っていた。
月も星も太陽も、一瞬、その姿をあらわしては、雲海のなかに沈んでいった。
夜の牧場では鹿たちが草を食み、懐中電灯に照らされると、闇の中にハート型の白い模様が浮き上がるのだった。
夜の露天風呂も霧に囲まれ、湯水は白い闇と対峙していた。
帰り道を辿るころ、天空のかなたに槍ヶ岳が姿を見せた。
なつかしい人にようやく出逢ったように心が躍った。
10月の林
10月の草紅葉
王ヶ頭に立つ石像
夕方の八ヶ岳連峰(10月18日)
夜の「塩くれ場」から見る月
朝の太陽(10月19日)
朝の月(10月19日)