enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.11.1


 10月が終わってしまった。
 夏の暑さと闘い疲れ、ようやくの休息の季節が巡ってきたばかりというのに。
 
 街の木々も衣替えを始めている。
 買い物の行き帰り、神社の森や夕空を眼にするたび、季節が通り過ぎてゆく早さを思う。
 
 10月の王ヶ頭の宿で、これから眠ろうとした時、友人が私の背中に手のひらをあてた。そして、「呼吸が苦しいと、このあたりが凝って固くなるらしい…」と、私の背骨のあたりをさすった。友人の手のひらは繊細であたたかく、私の呼吸はしばし安らいだ。
 
 そして、家に帰ってからの私の背中には、貼り薬やカイロなどが載るようになった。友人の手のひらのかわりだ。
 思いもかけない効果があった。このところ、胸いっぱいに空気を吸い込み、吐き出せるようになっている。
 秋だ…秋の空気を思い切り吸うことができる。嬉しい。
 友人のあたたかな手のひらに似せた、こんなまやかしの療法でも、しばしの安らぎの時間を取り戻せている。ありがたい。

10月29日の森(歩道橋から)
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11月1日の夕焼け(歩道橋から)
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