enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018.12.21

12月20日、去年の暮れと同じように、友人たちと逢うために上京した。
晩秋から冬にかけての東京の町は、人混みが苦手な私にも魅力的だ。
町のなかに季節の美しさ、時間をさかのぼるなつかしさを感じることがあるから。

昨年は、友人たちと食事をしたあとに、なぜか暗いお堀端を歩いたことを思い出す。
二重橋」まで歩いてみようと誰かが言ったのだと思う。
で、私たちの誰も、その場所を正確に知らなかった。
結局、私たちは「有名な二重橋」にたどり着くことができなかった。
そして、暗い広場から、日比谷あたりを振り返り、膨大な数の光を散りばめた大きな光体を見つけた。
私たちは、建設を急ぐ不夜城のビルらしい?と納得し、そのまばゆい光体をしばし眺めた。

今年はそのビルのなかで友人たちと逢い、6階のテラスから皇居の森やお堀端を眺めた。
そしてそこに、「有名な二重橋」に行き着かなかった去年の私たちの姿を見つけた。

私たちは、今年もお堀端を歩くことになった。
去年より少し明るい時間。それでも「有名な二重橋」の在り処は漠然としていた。
やがて、広場のなかで、まばらな人々の流れと出会った。その異国の人々の流れをさかのぼると、そこに「有名な二重橋」はあった。

ようやく、夕闇に沈む「二重橋」にたどり着いた…。
そして、改めて日比谷あたりを振り返る。
夕刻まで過ごしたビルの明かりに、去年の神々しいほどの明るさは無かった。
中空に懸かる月にも、昨晩の強い光は無かった。

6階のテラスから見上げる空
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二重橋」から見る12月20日の月
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