このところ、夜半や朝方、あるいは日中にいっとき雨が降る音がした。
夕方になって外に出ると、道路が冷たく湿って光っていたりする。
確かに、雨が通り過ぎているのだった。
昨夕、いつものように信号待ちで空を見上げると、なつかしい形の月が昇っていた。
『あぁ、今年最後の十三夜なのだな…』と思った。
夕食をすませ、月のことを思い出す。
ベランダに出てみると、寒さに怖気を震うほどではなかった。
十三夜の月が中空高くに懸かっている。
一段と白く光っている。
地上の蠢きとはかけ離れた静かな光だ。
カメラのレンズを通すと、薄い雲が西から東に素早く流れていくのが見えた。
能登の最果ての海。
沖縄の”何我舎 ぬーがやー”の庭。
十三夜の月はゆっくりと、この空からあの空へと進んでゆくのだ。
月の光が白いこと、静かなこと、私たちをあまねく照らすこと。
月が今、鏡となって、生命のあふれた地球に光を届けていることの不思議…。
十三夜の月①(12月19日)
十三夜の月②(12月19日)