enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018.12.20

 このところ、夜半や朝方、あるいは日中にいっとき雨が降る音がした。
 夕方になって外に出ると、道路が冷たく湿って光っていたりする。
 確かに、雨が通り過ぎているのだった。
 
 昨夕、いつものように信号待ちで空を見上げると、なつかしい形の月が昇っていた。
 『あぁ、今年最後の十三夜なのだな…』と思った。
 
 夕食をすませ、月のことを思い出す。
 ベランダに出てみると、寒さに怖気を震うほどではなかった。

 十三夜の月が中空高くに懸かっている。
 一段と白く光っている。
 地上の蠢きとはかけ離れた静かな光だ。
 カメラのレンズを通すと、薄い雲が西から東に素早く流れていくのが見えた。

 能登の最果ての海。
 沖縄の”何我舎 ぬーがやー”の庭。
 十三夜の月はゆっくりと、この空からあの空へと進んでゆくのだ。
 あの禄剛崎の白い燈台にも、読谷村のガマにも、同じ光を届けながら進んでゆくのだ。
 
 月の光が白いこと、静かなこと、私たちをあまねく照らすこと。
 月が今、鏡となって、生命のあふれた地球に光を届けていることの不思議…。

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十三夜の月①(12月19日)

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十三夜の月②(12月19日)