enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.1

2012.1.6                                                                  イメージ 2
 
冬木立の枝の透き間を風がわたっていった
 
こんな時は風になって空高くのぼってゆこう
時の錘りをつけた身体を道端に残して
 
そして青い川筋をたどり
光る河原の小さな凧を巻き上げにゆこう
 
あゝ 少年は渦巻く私にあらがい 幼い腕を緊張させている
(彼はまだ この世界と一体なのだ 飛ぶ夢など見ていない)
 
しかし 少年はいつか 小さな凧を解き放つだろう
風のなかに 時の流れを見つけた日に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2012.1.8
携帯の光は闇を清くして 少女の頬に冬の花
 
2012..1.9
 
 虹ヶ浜とは この浜をいう 虹色の浜
 
相模湾の汀線は虹のような弧を描き、虹ヶ浜は弧の頂きにある 
夕陽が山の端にかかろうとするわずかな時間、渚の暗い砂はラスター彩の輝きをもつ
奈良時代の旅人は余綾の浜を歌い、平安時代の旅人はもろこしが原の白砂と撫子の花を書きとどめた
いつか、私は虹ヶ浜の夕景を歌う旅人と出会えるだろうかイメージ 1