戦争を知らずに貴方は育った
貴方は自らに問うべきだ
召集命令状という形をした国家の名のもとに
戦場で他者の命を奪い また自らの命を投げ出せるのかと
国家という正体の見えない闇の中へ ”女”の心と肉体を供出できるのかと
戦争を知らずに育った貴方が戦争を語るときには
文字で学んだ思想や観念を語ってはならない
自らの裏打ちを持たない言葉で語ってはならない
貴方はまず 自らの今の命 自らの心と肉体に問うべきだ
戦争を知らずに貴方は育ったのだから
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昔、『戦争を知らない子供たち』という歌があった。当時、作詞者は髪の長い20代だった。現在は”戦争を知らない老人”になっているのだろうか。戦争は忘れた頃にやって来る・・・この頃そう思う。(あとで、北山さんは髪が短かったことを思い出す。自分のなかでも、ささやかな記憶の美化、作り変えが行われる。戦争の美化、歴史の創り替えを行うのは、きっと市井に生きる人々より声の大きい人だろう。)