海に近かった母の家から、駅の近くに移ってから7年目に入った。
庭が無い暮らしになってから、見慣れない小さな生き物に眼がとまるようになった。無機質な建物のなかで、生命体はとても目立つ。
たとえば蛾。階段や通路でじっとしている姿(なぜそこなのか、分からない)に親しみを感じる。
昨日の朝、集合住宅の玄関の床に、淡いクリーム色の蝶の形が浮き上がっていた。
思わず「きれい!」と言葉が出た。3㎝ほどの蛾だ。やはりじっと動かない。
すぐにカメラを取りに部屋に戻り、写真に撮ってみた。あとで拡大してみると、翅の縁に、小さなリボン飾りのような模様があった。色も形も控えめだけれど、拡大してもきれいに見える。名前は分からない(ヨツモンマエジロアオシャク?)。