enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

待っていたのは、湖のような海。

 

20日、曇り空に誘われて海に向かった。

4月からくり返してきた蕁麻疹も、処方薬のおかげでようやく鎮火しはじめた。そんな”病み上がりの肌”には、ピーカンの空より、さりげない薄曇りの空が付き合いやすい。

久しぶりに訪ねた海は、琵琶湖のように控えめで大人しかった。
ブツブツと独り言をつぶやきながら寄せては返し、何事かを考え込んでいる。
綺麗な小石たちが、その考え事の跡をなぞるように並んでいる。

制服姿の少女たちが波間に素足を浸しながら、はじけるような笑顔を重ねて写真を撮り合っていた。”箸が転んでも…”の言葉を思い出す。
『そんな時代もあった…』と、彼女たちもいつの日か思い出すことだろう。

今日の海は、どんな考え事をしていたのだろう…海も何か思い出したりするのだろうか…そんなことをぼんやり思う。今の私には、やはり曇り空が良い。

 

小さな「浜辺の要塞」? それとも、大きな「10円玉」?

 

カリフラワーのようなハマボウフウ

 

仲の良いマツヨイグサ          星型に閉じたハマヒルガオ


浜辺暮らしの猫

              

色とりどりの小石たち