20日、曇り空に誘われて海に向かった。
4月からくり返してきた蕁麻疹も、処方薬のおかげでようやく鎮火しはじめた。そんな”病み上がりの肌”には、ピーカンの空より、さりげない薄曇りの空が付き合いやすい。
久しぶりに訪ねた海は、琵琶湖のように控えめで大人しかった。
ブツブツと独り言をつぶやきながら寄せては返し、何事かを考え込んでいる。
綺麗な小石たちが、その考え事の跡をなぞるように並んでいる。
制服姿の少女たちが波間に素足を浸しながら、はじけるような笑顔を重ねて写真を撮り合っていた。”箸が転んでも…”の言葉を思い出す。
『そんな時代もあった…』と、彼女たちもいつの日か思い出すことだろう。
今日の海は、どんな考え事をしていたのだろう…海も何か思い出したりするのだろうか…そんなことをぼんやり思う。今の私には、やはり曇り空が良い。
小さな「浜辺の要塞」? それとも、大きな「10円玉」?
カリフラワーのようなハマボウフウ
浜辺暮らしの猫
色とりどりの小石たち