時の流れこそ
「美」の遍在証明だった
とどまろうとし 頽廃していくこと
それこそが私の意識だった
風が流れ 雲が流れ
梢が鳴り 葉が舞い 木漏れ陽がゆらめき
季節がめぐり 旋律がめくるめく
すべてがとどまらず あまねく美しい
私は その流れのかたわらで
この肉体にとどまろうとし 眼を凝らして
少しずつ 頽廃し続ける
とどまろうとするものに 眼を凝らすのだ
一片の絵にも 一塊の像にも
その静もった色と形のなかに
時の流れが透けて見えるように