enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.12.4

 東京は何か月ぶりだろう。友人と国会議事堂前で待ち合わせした。駅の構内は私と同世代ほどの人々であふれている。出口から We shall overcome の歌声が響いてくる。
 外に出ると巨大な神殿のようにそびえる国会議事堂が、蟻のような私たちを見下ろしていた。じきに、蟻のような人々はスクラムを組み、神殿のなかでマツリゴトを執り行う人々に向けて声を上げ続けた。果たして蟻のような私たちの声は為政者に届いたのだろうか。遠い騒音として聞いただけだったろうか。
 13時と13時半の2回、数分間の蟻の鎖…いや人間の鎖を作るとき、隣の見知らぬ人の手はあたたかく、友人の手は私と同じくらい冷たかった。蟻でもいいのだと思った。
 友人と遅い昼食をとったあと、憲政記念館に寄ってみた。女性が参政権を得てからまだ68年ほどということに今さらながら驚く。We shall overcome … 戦後の私たちは何を得て何を失ったのだろうか。
 
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議事堂近くの坂道に咲いていた桜