2月は楽しみにしていた梅の開花も楽しまずに過ぎた。
とうとう3月に入った。
今春退職する友や手術を終えた友、そして、どうしているかなと思い浮かべた友に小さなカードを出したあと、西に向かった。
相模湾沿いに電車で走れば富戸の春の海に行き着く。いつも心が躍る。
富戸の坂は春の眠りのなかにあるように静かだった。前日の雨で空気も足もともひんやりと湿っている。初めの急な坂を登りきると息があがっていた。
ここに一本の白樺が青い空に細身の体をのばしている。
この白樺の姿は、そのまま私の中のグリーン・ゲイブルスの世界につながっていく。
富戸では、入院中の友人と一日に何度もショートメールを送り合った。初めての操作に手間取りながらも、何と便利な時代になったのだと思った。
しんとした独りきりの空間で、他愛のないことをメールして、海と森を眺めて、鳥の声を聞いて、たっぷり眠った。
富戸の坂道の白樺
富戸の坂道の椿
富戸の坂道のジョウビタキ(枝の上で、コクン、コクンとお辞儀のような仕草を繰り返していた。)
利島と新島