enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.9.11

 この三日間、雨が小止みになると外に出ては図書館に向かう…を繰り返した。道々、傘を開いたり、閉じたり。この三日間、平塚の町の雨はそうした降り方だった。
 図書館でも本を開いたり、閉じたり。
 あてどなく、未知の世界に踏み入って、道草そのものの時間を過ごす。時々、貴方はここでいったい何をしているのか?という声が聞こえてきたりもする。
 図書館で私は何をするでもなく過ごすことが多い。そんな利用者の自分をやましく思うこともあるのだ。
 図書館でぼんやりしている間の私は、重力から離れ、浮遊しているのと同じ状態になっているのだと思う。図書館から外に出ると、我に返る気がするし、世界が戻ってきたような気がするから。
 図書館での時間の堆積からくぐり出ると、そこにはいつも、夕暮れに近い空間が果てしなく広がっている。そして、自分がただ一人、世界に放り出されたように感じる。
 この三日間は、大雨が地上に溢れる現実が、この空の先、虹の先にあること、眼の前にない現実が今も同じ時間で進行していることを思った。そして、その同じ時間、同じように空を見上げている人がいるかもしれないと思った。

9月9日の空
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9月10日の虹
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9月11日の空
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