enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.10.9

 季節が移ってゆく時、つぶやきのようなものが聞こえる時がある。
 季節も、私たちと同じように前に進むしかないのだなぁ…などと思ったりする。
 季節は、兵隊さんのように、決まりきったテンポで、勢いよく、整然と行進することはない。
 季節は、私たちと同じように、ためらったり、たちどまったり、ふりかえったり。そして、やっぱり前に進んでゆく。

 雨が降った9日、友人から「カツラが黄葉しはじめた」と聞いた。季節はもうまっすぐ前を向いているのだな、と思った。

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雨上がりの午後、マキの実に留まるアカボシゴマダラ…手を伸ばして携帯をかざしても、レンズの方向に蝶がいるのかどうか、分からなかった。それでも、ぼんやりと、わずかに紅い星をとらえていた。雨宿りしていたのだろうか。それとも雨水を吸っているのだろうか、触角や前足がかすかに動いていた。アカボシゴマダラは要注意外来生物なのだという。地球にとっては、ヒトが要注意の存在のような気がする。

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10月8日の月…細かった月がはっきりと太ってきた。6日の夕空の月は、私の携帯ではとらえることができなかったのに。月の歩みは、私たちから遠く離れて、確固として規則的でなければならないのだった。