10日に届いた朝刊・夕刊の一面topには、それぞれ「森友交渉 新文書20件」・「黒田日銀総裁 続投へ」のタイトルが踊っていた。朝夕の紙面の背後には、ずぶずぶと引き込まれてゆく泥沼が広がっているように思えた。
そして、それらの記事とはかけ離れたこと…アンデルセンの童話『赤い靴』のことを思い出した。記事から漂う気配には、子どもの頃、初めて『赤い靴』を読んだ時に感じた”空恐ろしさ”と似たようなものがあったからだと思う。
そして、「長い白いころもを着た天使」は、彼らに「おどれるだけおどるのだ! おまえのすきなように。もっと、もっと、おどっていけ!」と言っているように見える。
彼らの振る舞いが、”赤い靴”に魅せられた少女カーレンの振る舞いに重なってくる。
「それでもまだカーレンは、おどりつづけました。いや、おどらずにはいられませんでした。」
それでも…いつか彼らにも”赤い靴”を脱ぐ時が訪れる。
その時、ずぶずぶとした泥沼から、どのような”異次元”の兆候が浮かびあがってくるのだろう。それはやはり”空恐ろしい”ものなのではないだろうか。