enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

11月8日の月蝕。

8日の夕暮れ、買い物帰りに横断歩道で立ち止まった。

空を見やると、ビルに隠れている東の空が放射状に明るんでいるようだった。
そうか、今夜は月蝕…ビルの後ろでは、その月がもうのぼり始めているのだ。

家の前の道に入って驚く。

道の真正面の空に、大きな、ややオレンジ色をおびた満月がのぼっていた。
巨大な”神鏡”というものが天に昇って、私たちを睥睨しているようだった。
そんなふうな満月の顔つきを初めて見た気がした。

慌ててカメラを家から持ち出し、ビルの非常階段から満月を眺め直した。
でも、その時にはもう、いつもの月の顔にもどってしまっていた。
(びっくりするほどの大きさでもなく、いつもの満月の顔…ただし、昨年の月蝕の色合いを思い出させる色合いだった。)

 

11月8日の満月(17:27)

 

11月8日の月蝕(19:09):ローマ法王がつける白い帽子のような…。

 

11月8日の月蝕(19:20):月は、いつもよりずっと立体的で、生命体を透かして見ているように生々しかった。周辺に星たちが写り込んでいて嬉しくなる。