enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.12.4

 空の光も空気も、『もう冬だ…』と言っている。
 それでも、朝、ベランダに出ると、街路樹のイチョウが『まだ秋…』と言う。
 ほんとうに、もう12月というのに、あのイチョウは日に日に黄金色を濃くしているのだ。
 きっと、あのイチョウが黄金色の葉をすっかり落として沈黙してしまった時、ほんものの冬になるのかもしれない。

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12月2日の”ほぼ満月”(先日、「撮ったから…」ともらった写真):

悔しいけれど、私の腕とカメラでは撮影できない月の姿。雲の袖で、晴れやかな顔を少しだけ覆い隠そうとしている。


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12月3日の夕暮れのモーツァルト像:
今年も友人が出演するコンサートに出かけた。
何回も訪れているのに、初めて見た会場入り口のモーツァルト像。幸福の王子”を思わせるような姿だった。
演奏会のプログラムにはヨハン・シュトラウス2世ブルックナーの名があった。
いつも、オペラを聴く際には前のめりになるのに、管弦楽を聞く時は安心して深く腰かけることができる。そして、懐古的なワルツの調べに気を許し続け、最後のブルックナーの「交響曲第七番」はほとんど夢うつつで聴いた。(第一楽章の出だしと第二楽章の前半の雰囲気は耳に残ったけれど、コンサートを無事に終えた友人に感想らしきことをほとんど伝えることができなかった…申し訳ない…)。

平塚駅に着くと、東の空に”ほんものの満月”が浮かんでいた。私の携帯では決して撮れない月だった。