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私の第三十四夜をつづります。

12月の日曜の午後。

 

13日午後、町の中央公民館でコンサートが開かれた。
そのコンサートのサブタイトルは「希望を音楽にのせて」。

コロナ禍の2020年を、”希望の音楽”で見送ることができるのは、とてもありがたかった。

会場まで、街なかを抜けてゆく。
ゆっくりと歩きながら晩秋(初冬?)の空気を味わう…こうして師走の街なかを歩くだけで、何だかしみじみと幸せな気持ちになる。向かう先には、音楽にひたる時間があるのだし…。

 

3部構成のコンサートは盛沢山だった。

そして、町のホールは、出演したテノール歌手にとっては小さすぎるかのようだった。
「星は光りぬ」も、さらに「誰も寝てはならぬ」も、そのゆたかな声量によって、私の鼓膜は現実に振動し、ビリビリと震えた…そんなことは初めてだった。

コンサートは2時間半近くに及び、終わった。

会場の外に出る。街にはすでに薄闇が下りていた。

ふと、来年の師走に「第九」を聴き、今日のコンサートのことを思い出してみたいな…と思った。
12月の日曜の午後。
音楽にひたった時間は、確かにこんなふうに、私に”ささやかな希望”を持たせてくれたのだった。

 

 

f:id:vgeruda:20201214205931j:plain12月13日のプログラムから
(『平塚 オペラ・ガラ・コンサート2020 ~希望を音楽にのせて~』)